前歯矯正は保険が効く？

前歯矯正とは

「前歯矯正」とは、前歯が1本だけ曲がっているときや、前歯の歯並びが悪いときなどに気になる歯だけを部分的に矯正する方法で、「部分矯正」と呼ぶこともあります。
前歯矯正の種類は、下記の3つが挙げられます。

①上の前歯を矯正

前歯矯正の中では最も多い治療で、上の前歯の気になる部分だけを矯正する方法です。
冒頭でご紹介した理由のほか、俗に言う「八重歯」や「すきっ歯」の治療も含まれます。
前歯矯正は、上の前歯の一部にワイヤーやマウスピースを装着して矯正しますが、上の前歯だけを矯正すると下の歯とのかみ合わせが悪くなるというトラブルが発生しやすくなります。

②下の前歯を矯正

下の前歯の歯並びが気になるときに行う矯正で、同様に下の前歯の一部にワイヤーなどの矯正器具を付けて治療します。
しかし、下の歯の一部だけを矯正すると、上の歯と不自然にぶつかる問題が出る可能性があります。
そのようなときは「ディスキング」または「ストリッピング」と呼ばれる治療方法で歯の側面を削り、歯の幅を細くしてかみ合わせなどの不具合を調整します。

③上下の前歯を矯正

上下ともに前歯の歯並びが悪いときには、双方の矯正を行うケースもあります。
しかし、上下ともに前歯の一部だけを治療すると、矯正後は俗に言う「出っ歯」になる可能性があります。そのようなときも、同様にディスキングで調整をする必要が出てきます。
このように、前歯の一部だけを矯正する前歯矯正では上下の歯のかみ合わせなどの問題が生じやすいため、前歯の歯並びが気になるときは全体を矯正する「全顎（ぜんがく）矯正」か、後の項目でご紹介するセラミック矯正をおすすめします。

前歯矯正にかかる費用

前歯の一部を矯正する前歯矯正の費用は、30～50万円くらいが平均的な相場です。
最も安い歯科医院では、前歯矯正を10万円から行うところも見かけます。
具体的な金額は、歯の表面に装着するワイヤー矯正が30～50万円ほど、歯の裏側に装着するタイプでは40～60万円ほどかかります。
マウスピースを使用する前歯矯正は、30万～40万円程度が一般に見られる相場です。
前歯矯正に限らず、歯の矯正を行うときには前もって治療の内容や費用の詳細を確認し、後になって追加の治療や金額が生じないように担当の歯科医と十分に話し合っておきましょう。

前歯矯正は保険適用がでない

ご紹介した前歯矯正などの歯科矯正は、医療保険による治療を行うことができません。
ここでは、保険が適用されない理由と、例外として保険が適用される治療についてご説明します。

保険が適用されない理由

私たちが通院の際に利用する医療保険は、企業に勤める人が加入する「健康保険」、自営業者などが加入する「国民健康保険」、公務員や教職員などが加入する「共済組合」などがあります。
病気やけがのときは、医療機関でこれらの保険証を提示すれば医療費は一部の負担で済みますが、保険制度が適用されないケースもあります。
保険適用外の治療としては、健康診断、正常な妊娠時の検診や出産時の費用、労災保険の適用になる業務中などの事故などのほか、先進医療、美容外科や審美歯科における治療などが含まれます。
したがって、見た目を美しくする目的の前歯矯正は医療保険が適用されないため、治療を受ける際は全額を自己負担しなければなりません。

保険が適用される治療とは？

一方、歯科医院で一般的な虫歯や歯周病などの治療を受けるときは医療保険を利用できます。
また、かみ合わせが原因で虫歯や発音の障害、咀嚼（そしゃく）の障害が起きる心配や、あごの位置が本来の場所からずれていることが原因で顎（がく）関節症を引き起こす心配があるときなどは、矯正治療に保険が適用されるケースがあります。
さらに、筋ジストロフィーやダウン症候群、口腔（こうくう）の先天異常など53の「厚生労働大臣が定める疾患」が原因でかみ合わせの問題が起きたときや、あごの手術で歯の矯正が必要になったときの矯正治療にも保険が適用されます。
ただし、保険が適用になる矯正治療を受けられるのは、特定の医療機関に限ります。
なお、病気の治療を目的として前歯矯正を行う場合や、子どもの発育に影響が心配されるときの矯正治療は、医療費控除が受けられます。
詳しい疾患や症状、保険の適用および医療費控除については、歯科医院に直接お問い合わせください。

低価格で前歯を綺麗にしたいならセラミック矯正

ここまで、前歯矯正の種類と治療に伴うデメリット、保険の適用についてご紹介しました。
歯の矯正は保険が適用されないために費用は全て負担しますが、その分自由に治療法が選べるというメリットもあります。
ここでは、前歯矯正よりも低価格で治療できるセラミック矯正についてご説明します。

セラミック矯正とは

セラミック矯正は、矯正したい歯の表面を少しだけ削り、セラミック製のかぶせ物や差し歯を施す新しい矯正方法です。
従来のワイヤーやマウスピースを装着する矯正よりも短い期間で治療が終わり、美しく仕上がる点が魅力です。
セラミック矯正は治療の際にかみ合わせの微調整ができるので、先述したトラブルが起きることがなく安心して取り組めます。

セラミック矯正での前歯の治療方法

セラミック矯正で前歯を治療するときには、一般的に次の手順で行います。

①カウンセリング

初めに、ゆっくり時間をかけて患者様の矯正のご希望やお悩みなどについて伺います。
その後、現在の前歯の状態を診察し、患者様に合うセラミックの種類や色、形などをご提案します。
カウンセリングでは、セラミック矯正の方法や手順などについても納得いただけるまで詳しくご説明するので心配がありません。
虫歯や歯周病などがあるときには、治療を行ってからセラミック矯正をスタートします。

②最小限に歯を削る

次に、歯科用のCTでさまざまな角度から患者様の歯を撮影し、歯の中の神経の位置を詳しく調べます。
その後、矯正したい歯の神経の手前まで削り、セラミック製の歯をかぶせるための土台を作ります。
かつて、セラミック矯正と言えば歯を大きく削って神経を抜く治療が必須でした。
しかし、九段下スターデンタルクリニックは最新の治療技術を用いて最小限に歯を削るので、神経を抜く必要がなく歯に優しい治療ができます。

③歯型を採取する

セラミックの人工歯を製作するために、基になる患者様の上下の歯型を取ります。

④仮歯を取り付ける

セラミックの人工歯を製作している間は、プラスチック製の仮歯を取り付けて角度や向きなどの調整を行います。
この仮歯の段階で時間をかけてかみ合わせの微調整を行い、治療後に問題が起きないようにします。

⑤セラミックの歯をかぶせる

完成したセラミックの人工歯をかぶせて、最終的な微調整を行います。
見た目やかみ合わせなどに不具合が出なければ、セラミック矯正は終了です。

セラミック矯正がおすすめの理由

最後に、セラミック矯正をおすすめするそのほかの理由をご紹介します。

前歯矯正よりも低い価格で治療できる

一般的な前歯矯正の費用は、およそ30～50万円の範囲とご紹介しました。
セラミック矯正は、1本につき7～15万円程度で治療が可能です。
具体的な金額は、セラミックとプラスチックを混合した素材の「ハイブリッド」が1本につき7万円から、金属でできた歯型にセラミックをはり付けるタイプの「セラミック」が1本につき11万円からです。
そのほか、かぶせる歯の全体がセラミック製の「オールセラミック」が1本につき15万円からで、患者様のご希望に合わせてお選びいただけます。

前歯矯正よりも短い期間で治療できる

セラミック矯正の最大の魅力は、短い期間で矯正が終了することです。
ワイヤーなどの矯正装置を取り付ける前歯矯正は早くて数カ月、一般的には1年ほどの治療期間がかかってしまいます。
セラミック矯正は、虫歯などの治療を行わなければ最短で1週間、通院はたったの2回で矯正が終わります。
入学式や就職活動、結婚式などのほか、人前に立つお仕事などで早急に前歯を美しく整えたい方におすすめの矯正方法です。

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