歯の並び方や傾きや顎の位置などでいくつかの種類に分けられ、複数のタイプが合わさっていることがほとんどです。

歯並びを治したい方は自身の歯並びのタイプを考慮して、理想を叶えるために最適な矯正方法を選びましょう。

歯並びの種類

叢生(そうせい)

乱杭歯とも呼ばれ、歯が前後や上下に乱れて生えている状態で、八重歯も叢生の一種です。

顎が小さくて歯が生えるスペースが足りないことが主な原因で、不正咬合の約40%と発生率が最も高く、出っ歯や受け口などの骨格性の不正咬合と混在することがあります。

噛み合ったときに上下の歯が強くぶつかるところだけ歯の先端が斜めに削れたり、噛み合わせが悪いため顎関節症になったりする可能性があり、凸凹の隙間に汚れが溜まりやすく歯磨きが難しいので虫歯や歯周病のリスクが高い歯並びです。

空隙歯列（すきっ歯）

歯と歯の間に隙間がある状態で、食べ物が挟まりやすく見た目が気になるだけでなく、隙間の大きさによっては発音障害を引き起こすことがあります。

顎に対して歯が小さいか歯に対して顎が大きい、生まれつき歯の本数が足りない先天的欠損、前歯を舌で押したり唇を噛んだりする癖などが原因で起こり、一部もしくは全顎に渡って発生します。

上顎前突（出っ歯）

下の前歯より上の前歯が基準値以上に出ている状態で、前歯が前に出ているので目立つ、歯をぶつけて折ってしまうなどのリスクが高い歯並びです。

日本人の不正咬合では発生率が叢生に次いで2番目に多く、鼻腔の発達が不十分で口呼吸になる傾向があります。

上顎の過成長もしくは下顎の劣成長により骨格的に上顎が下顎より大きい、歯が前に向かって傾いて生えている、顎が十分に発育せず歯の並ぶスペースが足りない、前歯が大きいことなどが原因です。

4歳過ぎの指しゃぶりや舌を前に押し出すなどの悪癖も上顎前突の原因となります。

下顎前突（受け口）

反対咬合とも呼ばれ、上の前歯よりも下の前歯が前に出ている状態を指します。

骨や顎、舌の位置の関係から気道が圧迫されて口呼吸になりやすく、サ行が上手く言えない、舌足らずな喋り方などの発音障害が起こりやすいです。

下顎の過成長もしくは上顎の劣成長により骨格的に下顎が上顎より大きいか、下の前歯が外向きに生えている、舌や唇の筋肉などが原因で起こります。

骨格的に受け口の傾向があると顎の成長とともに悪化し、下顎の発育がピークを迎える思春期ごろに急速に顎が伸びて前に出るなどして噛み合わせが変わり、顔貌にも影響を与えることがあります。

開咬（オープンバイト）

オープンバイトとも呼ばれ、噛んでも上と下の前歯が閉じない状態です。

唇を閉じる力が弱く口呼吸やドライマウスになる傾向があるため虫歯や歯周病のリスクが高く、前歯で食べ物を噛みきれないので奥歯にだけ力が掛かって歯の寿命が短くなりやすいです。

4歳を過ぎてからの指しゃぶりや上下の歯の間に舌を押し出す癖、顎の大きさや形のアンバランスなどが主な原因で、遺伝的に骨格性の問題がある場合は指しゃぶりの晩期残存や舌癖などが無くても、成長とともに少しずつ開咬になることがあります。

矯正を行うことで得られる良い変化5つ

歯並びが悪いことをコンプレックスに感じていると、人前で笑ったり、写真を撮ることを苦手だと感じてしまうことも。
もう何年も矯正をしようか悩んでいるにもかかわらず、一歩踏み出せないという人も多いのではないでしょうか。
まずは、歯並び矯正を行うことで得られる、良い変化やメリットを確認してみましょう。
歯並び矯正によって得られる良い変化は、歯並びがきれいになることで起こる心理的なものと、口腔内の機能が向上するものの、大きく分けて2つがあります。

性格が明るくなる

自分にコンプレックスがあることで、性格がおとなしくなってしまう人がいます。
歯並びは、人から見たときの自分の印象を大きく左右します。
歯並び矯正によってきれいな歯を手に入れて、コンプレックスが解消されると、性格が前向きになる、明るくなるなどの内面の変化が期待できます。

笑顔に自信が持てる

笑うと歯が見えてしまうため、歯並びに自信がない人は、自分の笑顔が嫌いだという人も多いようです。
歯並び矯正で、歯を整えれば、笑顔も格段に美しくなります。
自分の笑顔に持てるようになれば、これまで写真が苦手だった人も写真を撮るのも楽しめるようになります。

社交的になる

歯並びの悪さをコンプレックスに感じ、人間関係に積極的になれなかったという人も、きれいな歯になると自分に自信が持てるようになります。
自分に自信がつき、以前よりも人と関わることが好きになる、活動的になるなど、矯正前よりも社交的になる人も多いようです。
これまで、歯並びが悪いことを人に知られたくないと初対面の人と会うのが苦手だと感じていたとしても、自信を持って初対面の人ともコミュニケーションを取れるようになります。

歯磨きしやすくなり口臭がなくなる

歯並びが悪いことは、見た目の問題だけではなく、口の中の健康を保つという点でもデメリットがあります。
歯が重なって生えている場合、歯と歯の隙間に食べ物のカスが詰まりやすくなります。
隙間に入り込んでしまった食べ物のカスは、歯ブラシでは届きにくく、歯並びが悪いことで、歯磨きも難しくなってしまいます。
蓄積した食べ物のカスは、口臭や歯周病の原因にもなり、よくありません。
矯正できれいな歯並びに整えることで、歯磨きがしやすくなり、口の中を清潔に保つことができるという大きなメリットがあります。
口の中を清潔に保つことができれば、口臭も起こりにくくなります。

口腔機能を回復させる

口腔機能とは、噛むこと・飲み込むこと・発音することなどを指します。
歯並びが悪いと、正常な歯並びの状態に比べて口腔機能が落ちてしまいます。
例えば、口の中の歯の噛み合わせがアンバランスだと、咀嚼の際に力がかかりにくくなり、ものをうまく噛めない、一部の歯に強い負担がかかるなど、なんらかの悪影響が出ることがあります。
また、口腔機能が低下していることは、体全体の健康にも影響を及ぼします。
噛み合わせが悪いことで、頭蓋骨のバランスが悪くなり、そのバランスの悪さを補おうと体の別の部分に負担がかかることがあります。
腰痛や肩こりが歯並びの悪さからきていることもあるのです。
さらに、口腔機能の低下は免疫力にも影響し、病気にかかりやすくなることもあります。
また、歯並びの悪さによって発音がうまくいかず、会話に支障をきたすこともよく起こります。

矯正によって歯列が整うことで、よく噛めるようになる、体全体のバランスが正常になる、免疫力がよくなる、発音しやすくなるなど、さまざまなメリットがあります。
歯並びの問題は体の健康にも密接に関係しているのです。

【関連ページ】
▶歯並びが綺麗だと何が良い？メリットや良い歯並びの条件をチェックしよう
▶綺麗な歯並びのメリットは何？歯並びのチェック方法や矯正方法を解説

歯並びを治す方法

理想の口元を目指すために歯列矯正で歯並びを改善するのはとても有効ですが、矯正方法によってできることとできないことがあります。

それぞれのメリットとデメリットを踏まえて、自身の希望をできるだけ叶えられる方法を選びましょう。

ワイヤー矯正

＊治療方法

歯の表側か裏側に金属やプラスチック、セラミックでできたブラケットとワイヤーを着けて歯を動かす方法で、月1回ほど通院して歯科医院でワイヤーを交換して歯が動くように調整してもらいます。

＊ほぼすべての症例に適応

最も古くから行われてきた方法で、軽度から重度の歯列不正までほぼすべての症例に適応できるのが最大のメリットです。

全体の噛み合わせを治せますが、基本的に前から4番目の歯を抜いて、上下顎のバランスによっては顎の骨を切る手術をすることがあります。

＊目立つ、痛いなどのデメリットがある

装置が目立つことが難点で、唇や舌が装置に触れるので慣れるまで違和感が大きく、装置が当たって痛い、ブラケットが外れるなどのトラブルが起きると緊急で歯科医院に行く必要があります。

一度着けたら自分で取り外しができないので装置の周りに汚れが溜まりやすく、凹凸がたくさんあって歯が磨きにくいため虫歯や歯周病のリスクに注意しましょう。

マウスピース矯正

＊治療方法

透明なマウスピースを1日20時間以上装着し、1〜2週間ごとに交換して歯を動かす方法です。

＊目立ちにくく、違和感が少ない

歯に米粒大の白いアタッチメントを着けることがありますが、マウスピースが透明で目立ちにくいのが特徴です。

食事や歯磨きのときは自分で外せるのでほとんどいつも通りの食事と歯磨きが可能で、ワイヤー矯正と比べて口腔ケアが圧倒的にしやすいメリットがありますが、装着前に歯磨きをしておかないと汚れをマウスピースで歯に密封してしまうので虫歯になる恐れがあります。

＊自己管理ができないと歯が動かない

計画通りに歯を動かすにはマウスピースの装着時間や交換スケジュールを守るのが何より重要で、自己管理ができないと歯が動かないので注意しましょう。

＊適応症例に限りがある

大きくずれたり捻れたりしている歯を動かす、縦方向に歯を動かすのには向いていないため、適応症例に限りがあります。

歯が動かなくて最終的にワイヤーを着けると言われてトラブルになることがあるので、計画段階でマウスピースだけで治せるのかよく確認しましょう。

セラミック矯正

＊治療方法

歯を削りセラミックなどの被せ物をして歯並びを綺麗に整える方法で、ワイヤーなどの矯正装置を着けないので目立たず、歯を動かさないため痛みと後戻りがありません。

＊歯の大きさや形、色が選べる

ワイヤー矯正やマウスピース矯正は歯の形や色を変えられませんが、セラミック矯正なら歯の大きさや形、色を選べるので理想の口元を実現しやすく、最短で審美性の高い歯並びに改善できます。

＊軽度な不正咬合にも対応

歯並びや前歯の傾き、顎の大きさと位置のずれが少ない場合はセラミック矯正で対応できることがあります。

＊歯の神経を抜くセラミック矯正には注意

歯の神経は物を噛んだときの感覚と食べ物や飲み物の暖かさを伝え、歯に必要な栄養を届ける役割があり、丈夫な歯を保つためにとても重要です。

歯の神経を抜くと感覚が無くなるだけでなく、歯が脆くなって寿命が短くなったり歯茎が黒ずんだりします。

セラミック矯正を始めるなら歯の神経を抜くのか抜かないのかを事前に確認し、歯の神経を抜かない方法を選ぶのが望ましいです。

例えば当院でセラミック矯正をした患者様の症例です。

【関連ページ】
▶セラミック矯正について

期間と費用

ワイヤー矯正

通院2年と保定2年の合計4年掛かり、費用は全体矯正で70〜110万円、通院ごとに調整料が追加で掛かる歯科医院もあります。

マウスピース矯正

期間はメーカーにより異なりますが、軽い症例で前歯だけに特化したものは3ヶ月ほどで、費用は30〜110万円です。

セラミック矯正

歯を削ってから仮歯を入れるまで最短1日です。
費用は1歯7〜20万円で素材によって異なりますが、本数によっては全体矯正や部分矯正と比べてコストが抑えられる場合があります。

動画でわかる！矯正方法の種類別メリット・デメリット

審美歯科医が、矯正方法の種類別にメリット・デメリットを解説しています。
それぞれの特徴を理解して、納得した矯正方法を選びましょう。詳しくは動画内で解説していますので、ぜひご覧ください。

その他の動画はこちら

セラミック矯正の症例

この症例は出っ歯だったのと、歯が斜めに生えていましたのでこの2点をセラミック矯正で改善しました。

歯のサイズを見て頂くと歯が小さく丸めになっているのも分かりますでしょうか？　今回は男性の方でしたので、自然な歯の色にしたいということでナチュラルなトーンの歯で治療しました。

セラミック矯正の症例をもっと見る＞＞

九段下スターデンタルクリニック院長経歴

ご挨拶

また当医院ではスタッフの接遇にも力を入れております。

歯医者に通うのは怖いことですから、その気持ちを少しでも和らげることができるように「例え洗練されていなくとも、心のこもったおもてなしをするように」と全スタッフに言い聞かせております。

是非１度スター歯科にお越しください。

その出会いをきっかけに、生涯のかかりつけ医として選んでいただけるようにスタッフ一同全力を尽くさせていただきます。