矯正が原因で歯茎が下がる?歯肉退縮のリスクを避けるには
矯正による歯茎への影響
歯科矯正では不自然に歯茎に力が入ってしまい、その影響で歯茎にトラブルが起きることがあります。
歯肉退縮が生じる
矯正装置を付けているために歯肉退縮が起こる可能性があります。
歯肉退縮とは、歯根の先端部分に向かって歯肉が縮み、歯根が見えてしまう状態のことです。歯肉が縮むので歯茎が下がり、歯が露出して以前より長くなっています。その結果、歯の根元の隙間までが見えるようになります。
矯正の方法は一般的にブラケットを付けてワイヤーで締め付け、歯の土台である歯槽骨という骨を少しずつ動かしていきます。その際、無理な力が歯にかかり、歯槽骨が破壊されてしまうことが原因で、歯肉が縮んで歯の根元が見えるようになります。
また矯正装置を付けていると虫歯や口臭が心配で歯磨きの際に力を入れすぎて染みるようになる人も歯肉退縮が起きやすくなります。
ブラックトライアングルが生じる
ブラックトライアングルとは、歯肉退縮で歯の根元が露出した結果、歯肉と歯の間にできる三角形の隙間のことです。三角形が黒く見えることからブラックトライアングルと呼ばれます。
奥歯は方形に近いため歯茎が下がっても隙間ができることはほぼありません。一方前歯は、歯茎に覆われている部分が細くなっているため、歯茎が下がると隙間ができてしまいます。そのため、ブラックトライアングルは主に下顎前歯の根元に多く見られます。矯正をして歯並びが良くなっているのに歯茎に黒い三角形が見えるととても気になってしまいます。
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▶ブラックトライアングルの原因・症例と治療方法
歯茎にダメージが生じる原因
矯正治療に中の過度な矯正力
骨は常にリモデリングを繰り返しています。リモデリングとは、骨の形成と「吸収」と呼ばれる骨破壊を繰り返して、骨芽細胞によって新しい骨組織を作ることです。
このような骨がリモデリングするシステムを利用して歯列矯正をします。この過程は次のようなことです。
破骨細胞によって古い骨が破壊されると、I型コラーゲンなどから新しい骨が作り始めます。ブラケットとワイヤーに付けて歯に矯正しようとする力が加わると歯槽骨の吸収が起きますが、その後、新しい骨が生まれないと歯肉が下がってしまう歯肉退縮が起きてしまうのです。コラーゲンなどの生成が少ないと骨を新しく作る細胞である骨芽細胞も少ない状態で、新しい骨が作りにくくなります。
ある程度の年齢を超えるとこのリモデリングがスムーズにできなくなってしまい、歯茎が下がってしまうのです。
その他矯正治療以外の影響
矯正以前に歯茎が下がっていたのかもしれません。歯並びを整えたために歯茎の形が気になり始めるという場合もあります。
加齢
リモデリングにはコラーゲンが必要です。しかし、体内でのコラーゲンの生成も少なくなるなど、リモデリングが上手くいかなくなってしまいます。
つまり歳を重ねていくと骨の再生が上手くいかなくなるため、歯肉退縮が起こりやすくなってしまうのです。そのため、矯正をしていない人も歯肉退縮が起きている場合が多々あります。ただ、歯並びが悪い場合や歯周病で腫れていると見えにくいだけです。
歯周病
歯周病は口腔内の細菌が原因で起こる歯を支えている骨が破壊されてしまう歯茎の病気です。国立循環器病研究センター「歯周病外来」の公式サイトによると日本人の8割が歯周病にかかっています。
歯周病が進行すると歯茎組織や歯を支えている骨にダメージを与え、歯肉退縮が起きる可能性が増大します。
強いブラッシング
歯磨きの際の強いブラッシングは、歯茎部分の歯周組織が破壊されてしまい、歯茎が下がってしまう原因です。摩擦で歯そのものが弱ってしまう場合もあります。
矯正のためにブラケットやワイヤーを装着していると磨きにくく虫歯の原因になるため、つい強くブラッシングをしてしまいがちです。歯ブラシを選ぶ際も毛の硬さは「普通」、または「柔らかい」タイプを選ぶようにしましょう。
咬合性外傷
咬合性外傷とは、咬合力が歯周の支える力を超えてしまい、歯周組織の深部を損傷してしまうことです。歯周組織の深部には、セメント質、歯根膜、歯槽骨があり、歯や歯茎を支えています。簡単に言えば、歯全体に均等な力が入らず、一部分だけに力を入れてしまうため、その部分の歯茎の奥にある組織にダメージを与えてしまうことが咬合性外傷です。
咬合性外傷の原因は、主に歯並びが悪いことや歯ぎしりなどです。
歯並びが悪いと口を閉じたときに1本だけ、または数本だけの歯が他の歯より先に上下で接触してしまいます。するとその部分に他の部分より強い力が入ってしまい、歯茎にダメージを与えてしまうのです。
また、歯並びが悪いと歯の間やくぼみに食べ物が入り込んでしまいますが、これは食片圧入と呼ばれ、やはり咬合性外傷の原因の一つです。
歯肉退縮の治し方
歯肉退縮にならないためにケアをすることは可能ですが、歯肉退縮は自然に治ることはありません。歯肉退縮の治療は歯科医院に相談してみましょう。歯肉退縮の原因が歯科矯正の場合は、基本的に自由診療ですが、症状や原因、歯科医院によって異なります。
歯肉退縮の治療は、ブラックトライアングルにも効果があります。
歯周形成手術で治す
歯肉退縮は外科手術で治療可能です。
歯肉弁移動術、遊離歯肉移植術、結合組織移植術といった種類があります。
歯肉弁移動術は、歯肉短縮が起きている部位に近い部位から歯肉を引っ張ってきて歯肉ラインを元の位置にする手術です。
遊離歯肉移植術は、上顎口蓋などから歯肉を取り出し、退縮部分に移植します。
結合組織移植術は、歯肉の一部に当たる結合組織を退縮部分に移植する手術です。その後移植した歯肉が成長しさらに歯の上をカバーするようになる可能性もあります。
コンポジットレジンによる修復
コンポジットレジンは歯の詰め物にも使われる樹脂の一種です。露出した歯根の表面にコンポジットレジンを歯肉退縮がある部分に盛って見えなくします。ただ、コンポジットレジンを盛ると歯が大きく見えてしまうことがデメリットです。
また、コンポジットレジンを被せていてもだんだんと外れてしまうため、再度する必要があります。つまりコンポジットレジンによる修復は対症療法でしかありません。
必ずしも治療しない
歯茎が下がってしまうと知覚過敏になってしまうことがあります。そのため冷たいものを食べると染みて痛く感じることがあります。しかし、そのような自覚症状がまったくない場合は、治療をするかどうかは自分で判断しても大丈夫です。
知覚過敏がある場合もプラークが原因の場合はプラークを除去すると痛みを感じなくなる場合もあります。
ただし、それ以上歯茎が下がらないように、歯磨きであまり強い力でブラッシングをしないなどの注意が必要です。
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歯茎への影響が気になるならセラミック矯正がおすすめ
歯を無理に動かす矯正治療は歯茎への影響がある可能性があります。
せっかく歯並びを整えても、歯茎が下がってしまうと美しい笑顔になれません。ある程度の年齢になるとやはり心配です。
歯肉退縮が起きる可能性があるのではないかと心配な方は、セラミック矯正がおすすめ。セラミック矯正は、セラミックなどで作られた人工歯を従来の歯の上に被せる方法です。クイック矯正とも呼ばれ、短期間で歯並びの良い白い歯を手に入れられます。
ただ施術の際に神経を抜いてしまうクリニックが多いことも事実です。神経を抜くと歯の周りの血管まで無くなり、栄養分が歯に届かなくなります。その結果、歯がもろくなり歯の寿命が短かくなってしまう可能性が増えることが問題です。
神経を抜かない技術の高いセラミック矯正をするクリニックを選びましょう。九段下スターデンタルクリニックは、神経を残すセラミック矯正をしています。無料カウンセリングをしてみてはいかがでしょうか。
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▶セラミック矯正のメリット・デメリット、治療期間・症例
動画でわかる!矯正方法の種類別メリット・デメリット
審美歯科医が、矯正方法の種類別にメリット・デメリットを解説しています。
それぞれの特徴を理解して、納得した矯正方法を選びましょう。詳しくは動画内で解説していますので、ぜひご覧ください。
セラミック矯正の症例
この症例は出っ歯だったのと、歯が斜めに生えていましたのでこの2点をセラミック矯正で改善しました。
歯のサイズを見て頂くと歯が小さく丸めになっているのも分かりますでしょうか? 今回は男性の方でしたので、自然な歯の色にしたいということでナチュラルなトーンの歯で治療しました。
九段下スターデンタルクリニック院長経歴
奈良教育大学附属中学校卒業
清風南海高校卒業
2000年長崎大学歯学部卒業
ア歯科パークハイム診療所勤務
2006年九段下スターデンタルクリニック開業
医療法人社団スタデン理事長就任
ご挨拶
また当医院ではスタッフの接遇にも力を入れております。
歯医者に通うのは怖いことですから、その気持ちを少しでも和らげることができるように「例え洗練されていなくとも、心のこもったおもてなしをするように」と全スタッフに言い聞かせております。
是非1度スター歯科にお越しください。
その出会いをきっかけに、生涯のかかりつけ医として選んでいただけるようにスタッフ一同全力を尽くさせていただきます。
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小児・子供矯正パーフェクトNAVIで記事を監修しました。 - 2020/8/21
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