すきっ歯の治療法のラミネートベニアとは？

俗に言う「すきっ歯」の治療のひとつに、「ラミネートベニア」と呼ばれる矯正方法があります。
ラミネートベニアは、治したい歯の表面を少々削り、付け爪のような薄いセラミック製の歯をはり付ける治療法です。
ラミネートベニアはすきっ歯だけでなく、欠けた歯、変色した歯などの気になる前歯に対応できます。
手軽に矯正治療ができるラミネートベニアは、入学式や就活、結婚式などの大切なイベントを控えている方に多く選ばれています。
ラミネートベニアは1本ずつオーダーメイドで製作するため、一般的な費用はおよそ5～15万円が相場です。

ラミネートベニアは、1920年代のアメリカでハリウッド俳優が見た目を美しくする目的で使用したことが始まりと言う説があります。
初期のラミネートベニアはまだ着脱式で、素材がもろく割れやすかったために撮影のときに限って使用していました。
日本国内でアイドルなどの芸能人がラミネートベニアを装着するようになったのは、1980年代に入ってからです。
しかし、当時のラミネートベニアは取れやすいだけでなく、素材のプラスチックが変色したりすり減ったりするトラブルが起こりました。
その後、薄くて強度のある歯科用のセラミックが続々と開発され、接着剤の技術とともにラミネートベニアの研究が続けられています。

ラミネートベニアのメリット

手軽にすきっ歯の治療ができるラミネートベニアは、次のようなメリットが挙げられます。

歯を削る量が少ない

ラミネートベニアの治療では、はり付けるスペースを作るためにすきっ歯の表面を削らなければなりませんが、削る量はおよそ0.5ミリとごくわずかです。
なお、歯を削る際には麻酔をするので、痛みの心配がありません。
歯を削ることや痛みに対して不安がある方は、精神的な負担が少なくて済む点がメリットです。

短期間の治療で終わる

ラミネートベニアの治療は、大きな問題がなければ最短で1週間、2回の通院で済みます。
初めのカウンセリングで患者様のご希望を伺い、実際にすきっ歯の診察をしながらラミネートベニアの治療が可能かどうか調べます。
ラミネートベニアによる治療ができると診断されたときは、続けて歯の写真撮影やレントゲン撮影などを行います。
加えて、ラミネートベニアの色や仕上がりの歯の形などのご希望をこまかく話し合います。

その後、麻酔をしてすきっ歯の表面をわずかに削り、ラミネートベニアを製作するための歯型を取ります。
ラミネートベニアが完成するまで、プラスチック製の仮の歯を装着します。
特に問題がなければ、1回目の治療でここまで終了します。
およそ1週間後、完成したラミネートベニアを専用の接着剤で歯にはり付け、こまかい調整をして仕上げれば完了です。

白い歯にできる

ラミネートベニアの素材は「ポーセレン」と呼ばれるセラミックを使用しているため、はり付けた後は周りの歯となじんで美しく自然な白さに仕上がります。
セラミック製のラミネートベニアは、プラスチックのような経年劣化による変色の心配がなく、簡単にすきっ歯の治療ができる点が魅力です。
従来のワイヤー矯正やマウスピース矯正による治療では、歯を白くできません。

すきっ歯の治療法！ラミネートベニアのデメリット

ラミネートベニアは手軽なすきっ歯の治療法のひとつですが、次のようなデメリットが生じます。

取れてしまうことがある

ラミネートベニアの治療後に、硬いものをかんだりぶつけたりするなどの刺激が加わるとはり付けた歯が取れることがあります。
現在は歯科用の「レジンセメント」と呼ばれる接着剤を使用するようになり、従来よりも接着技術が発達しました。
しかし、上記のような強い刺激を受けたときには、ラミネートベニアが取れたり割れたりするケースがあります。

虫歯になりやすい

ラミネートベニアの治療で新しい歯を装着した後も、毎日の歯磨きがしっかりできないと虫歯になる可能性があります。
また、安価で治療したラミネートベニアの場合は、もとの歯とサイズが合っていない、きちんとはり付いていないなどのトラブルが発生することがあります。
そのため、ラミネートベニアをはり付けた部分のすき間に汚れや菌が付着したり、歯磨きがしづらかったりして虫歯になるリスクが高まります。

歯が分厚くなって出っ歯に見えてしまう

ラミネートベニアの治療では、すきっ歯を削る量よりも新しくはり付ける歯の方が厚いため、新しい歯を装着した後は俗に言う「出っ歯」に見えるデメリットが生じます。
また、かつてすきっ歯のときに見えたすき間がなくなり、ラミネートベニアで前歯がそろって平らになることから、治療後は全体に歯が出ているような感覚になる場合もあります。

【関連ページ】
▶ラミネートべニアのメリット・デメリット、治療期間・症例

歯の大きさも選べるセラミック矯正もおすすめ

すきっ歯の治療はラミネートベニアだけでなく、「セラミック矯正」もおすすめです。

セラミック矯正とは

セラミック矯正は、すきっ歯などの治療したい歯を少し削り、その上に「クラウン」と呼ばれるセラミック製の人工歯をかぶせる矯正方法です。
ラミネートベニアと同様にセラミックを使用する矯正方法ですが、大きな違いは歯を「かぶせる」点にあります。
また、ラミネートベニアは、すきっ歯に重篤な虫歯や歯周病があるときや大きく欠けているとき、上下の歯のかみ合わせがよくないとき、歯ぎしりの癖があるときなどは治療ができませんが、セラミック矯正であれば対応が可能です。

セラミック矯正のメリット

歯をかぶせるセラミック矯正は、治療後に歯が取れるようなトラブルはほとんど起こりません。
また、セラミック矯正は歯の色や形だけでなく、患者様のお好みに合わせてサイズも自由に選べるため、ラミネートベニアより自然に美しく仕上がる点が特長です。
さらに、セラミック矯正に使用する歯は種類を豊富に取りそろえているので、カウンセリングの際に患者様の顔の大きさや背の高さ、雰囲気なども考慮しながらゆっくり選べます。
なお、セラミック矯正で治療を行った歯は虫歯になる心配がありません。
セラミック矯正の治療期間も、ラミネートベニアと同様に特に問題がなければ最短で1週間、2回の通院で終了します。

セラミック矯正のデメリット

セラミック矯正は、ラミネートベニアよりもやや多めに歯を削る点がデメリットです。
しかし、削る際は事前に最新のCT機器などで歯の神経の位置を調べ、削る量を最小限に抑えながら治療を行うので心配はありません。
また、従来の方法でセラミック矯正を行う場合は歯の神経を抜くことがあり、治療後に歯茎が黒ずんだり膿（うみ）が出たりするトラブルが起こります。
しかし、最新の技術を導入している歯科医院では、神経を抜かずにセラミック矯正の治療ができるので、治療の際にご相談ください。

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▶セラミック矯正のメリット・デメリット、治療期間・症例

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また、麻酔の際は痛みが出ないよう、細心の注意を払いながら治療をすすめるので心配がありません。
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